「世界に1つ」を作り出す職人の感覚とは

~シナコバで大人気のリメイクバッグ。職人技が光る逸品の制作現場を取材~
2021年12月某日、人気のアップサイクルバッグを手掛けて下さっている大阪府吹田市にある『H.H.Design Laboratory』でオーダーアンドカスタム、リペアメンテナンスなどをおこなっている樋口代表のアトリエに行ってきました。
~SDGS・販売できない未使用品を価値あるモノへ生まれ変わらせる~
本商品(リメイクバッグ)は、製品製作工程でどうしても出てしまう「端材(生地の切れ端など)」や、「傷、汚れ、色落ちなどを含む販売不可品」を職人の手によって生まれ変わらせるという取り組みから生まれたモノです。
例えば、バッグの本体部分は傷がついてしまった販売不可のパンツで創り、持ち手の本革部分は革ジャンなどを創る際に出てしまう端切れを使用しています。
このように、本来であればそのまま破棄せざるおえないモノをベースに組み合わせ、趣のある特徴的で魅力的な「世界に1つの商品」を作り上げます。
販売不可品に関しては、色落ち、色剥げ、傷、破れ、様々な状態のモノがございます。それらを職人が「一つのデザイン」としてうまく組み合わせ、確かな手仕事で仕立てるのです。
そして、私たちシナコバは、この「特別な逸品」を一人でも多くのお客様のもとへお届けできればと思っています。
SDGS:シナコバだからこそのアップサイクルを。
●シナコバ商品の品質の良さでアップサイクルの価値をさらに高め、リメイク品の概念(印象含む)を変え、他とは違う再利用商品をお客様へお届けする。(アップサイクルとは廃棄物や不要品に新しい価値を与えることで、もの自体の価値を高めること)
●企業としての責任でもある「廃棄品を減らしていく取り組み」の一つとしてこのアップサイクルを継続していく。
リメイクトートのベースになるのは「シナコバ メンズパンツ」
リメイクバッグは樋口代表の手仕事によって完成されています。
制作工程は大きく分けて4つの課程になります。
①パンツの全体の状態を確認、使えるポイントを把握
②4つのパーツにばらす(商品のカット(ばらし)など)
③デザインを整える(ワッペン選び、デザイン決定など)
④縫製~仕上げ
今回は①~③の工程を見せていただきました。
シナコバから送られてきた商品を「デザインポイントはどこか(この時に生地の特徴も把握します)」に注目しながら全体像からデザインポイントを重点的に素早く把握するそうです。
そしてデザインポイントを確認できたら商品をばらす工程に入ります。
●裾部分をカット
●ウエストベルト部分のカット
●縫い糸を解き、前後のパーツにばらす
ばらす工程は、「スピード勝負」
樋口代表ーーーー
「早く解体して全体像をみたいから時間をかけないし、かける必要もない。」「デザインが重要になってくるので、それまでの工程はスピーディーに行います。」
「頭の中でイメージしながら最短距離で」
ひとつひとつの工程を進めながら頭の中では、一歩、二歩先を行く感じ。
一つ目のパンツをほどいたら、次のパンツに手を伸ばし同じ工程を進めていきます。
バイカラーにするか、同系色でまとめるか。
デザインポイントになるワッペンは?
色々なパターンを想像しながら糸を解きカットする。
樋口代表ーーーー
「先を読みながら同時にいくつものことを考えながら作業します。
頭の中で次の行動を考えながら進めます。」
そういいながらあっという間にパンツを2本、ほどき終えてしまいました。
そして、ここからが「本題」、重要になる「デザイン」です。
樋口代表ーーーー
「持ちたいと思ってもらえるモノを作らないと意味がない。」
「だからデザインの部分に一番時間をかけられるようにほかの工程はいかに短時間で効率よく進められるかということが大切だと思っている。」
樋口代表ーーーー
「元のパンツのデザインをいかしたい(ポケットはポケットとして使えるように)ので、ワンポイントにワッペンを入れたい時は、縫い解いて、カシメをしてもう一度縫い直すという「ひと手間」をかけます。一般的なリメイクバッグであれば、上からミシンをたたいてポケットの役目を果たせない状態になっているのが多かったりしますけどね。」
縫っているモノをほどいて、また縫い直す。これは本当に手間がかかります。
手間がかかるから「他社はしようとしない」のが現実。
しかし、樋口代表はその手間のかかる部分にしっかりと手を入れて「元を生かす」工程を大切にしてくださっています。
樋口代表ーーーー
「ここまでくるのにほんとに色々と失敗しましたよ」
シナコバと出会う以前に樋口代表はリメイクバッグを沢山手掛けたそうです。
樋口代表ーーーー
「なかなか思うような形にならない。一つ創っては問題が見えて、一つ創ってはまた問題が出てきてって感じでしたね。」
そう言って色々な失敗作のバッグを見せていただきました。
こういった経緯があるからこそ、シナコバのリメイクバッグを作る時のスピードやデザインへの配慮、「ブランドの価値と、使うお客様のイメージ」をしっかり考えながら制作することができるんだと、樋口代表のお話を聞いてわかりました。
「もっといいモノを」「もっとできるんじゃないか」というように、モノ創りに真剣に向き合い、貪欲に、自分に厳しく、志高くいるからこそ「クオリティーの高いモノ」が仕上がってくるんだと思います。
職人さんの「満足しない」という感情は共感しかありません。
「何をどうすればBESTなのか」を常に考えながら行動する。
その時々に合った「最高」を見つけようとしているんだと思います。
シナコバのお客様は自分の世界観をとても大切にされている方が多いです。「シナコバだから」という嬉しい言葉を日々沢山のお客様から頂きますので、「リメイクトート」に関してもお客様の期待以上のモノにしていかなければならないと思っています。
そして、それは樋口代表も感じて下さっていて「シナコバブランドのイメージを最大限にいかした世界にひとつのトートバッグ」を創ってくださっています。
シナコバ商品の品質の良さがアップサイクルバックの価値をさらに高め、
経験豊富な樋口代表のデザインで完全に生まれ変わる。
今後の「シナコバアップサイクルプロダクト」に是非ご期待くださいませ。
H.H.DesignLaboratoryが大切にしていること
クオリティーファースト
そのためのスタッフファースト
<事業内容>
オーダーアンドカスタム/リペアメンテナンス
565-0832 大阪府吹田市五月が丘南1-3
TEL : 06-7500-9737
FAX : 06-7500-9737
BUSINESS HOURS
MON-FRI 9:00-18:30
SAT : CLOSE
SUN : 10:00-19:00
https://hhdesignloveratory.com/
お忙しい中、ご対応いただきました樋口代表、スタッフの皆様、本当にありがとうございました。今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。